合駒がない

このゲームの駒はすべて1マスしか動けないので、王手はいつもとなりのマスからかかります。 間に駒を入れるすきまがないため、合駒という受けは存在しません。 玉方の応手は「逃げる」「とる」の2つだけです。

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空き王手(あきおうて)もない
遠くから利かせる駒がないため、「自分の駒をどけたら王手になっていた」という 空き王手も起きません。盤上の脅威はすべて目に見えている状態です。 そのぶん「気づけるか」ではなく「どこまで読み切れるか」の勝負になります。

攻め方のライオンは王手に使えない

ライオンは全8方向に利く(=となり8マスすべてを攻撃できる)ので、 一見すると最強の攻め駒に見えます。 ところがライオンは王手に使えません。 相手ライオンのとなりへ出れば王手の形にはなりますが、その手は必ずとり返されるため、 王手として成立しないからです。

黄枠の先手ライオンが後手ライオンに王手をかけた局面。逃げ道はすべて先手キリンがふさいでいます。 先手ヒヨコが下から先手ライオンにひもを付けているので、 一見「とったら取り返されるから、とれない」ように見えます。 ところが後手はかまわず先手ライオンをとります。 とった瞬間に後手の勝ちが決まり、取り返す手番は来ないからです。詰みではありません。

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とれる側:ひもが付いていても、必ずとる
相手のライオンをとった瞬間に勝ちが決まります。取り返される手番自体が来ないので、 相手ライオンがとなりに来たら、守られているかどうかを考えずにとってください。 ほかにどんな手があっても、この手が最善です。

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動かす側:ライオンを相手ライオンの利きに入れない
相手ライオンの利きは、そのとなり8マスです。そこへ自分からライオンを出すと、 次の手番でとられて負けます。 ライオンの行き先が相手ライオンの利きに入るなら、その手は指さず、別の駒で王手をかけてください。
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そのかわり、利かせる役としては最強
ライオンはとなり8マスすべてに利くので、玉方はその8マスへ逃げられません。 王手は別の駒でかけ、自分のライオンは玉方の逃げ道に利かせてください。 同時に、味方の駒にひもを付ける役もこなせます。 王手に使えない駒が封じ込めの要になる——これが本将棋にはない役割分担です。

玉方には「トライ」という逃げ道がある

このゲームではライオンが相手陣の一番奥に到達すると、その時点で勝ちになります(トライ)。 これは玉方にも適用されるため、玉方は詰みを防ぐだけでなく 逃げ切って自分が勝つことができます。 本将棋の詰将棋にはない、玉方側の勝利条件です。

王手をかける
ところが…

左が出題局面(先手の持ち駒はキリン2枚・3手詰)。 黄枠のように2段目の左端へキリンを打つと王手にはなりますが、 後手ライオンは×印(4段目の中央)へ走れてしまい、そこへ利いている先手の駒がありません。 詰ますどころか、その場で負けます。 正解は4段目の左端へキリンを打つ手。同じ「キリンを打つ王手」でも、 こちらは王手をかけると同時に×印のマスへ利きが届き、走る先を先につぶしています。

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王手を選ぶときは、3段目・4段目に利きが増える手から試す
玉方ライオンは、自分のトライ行=いちばん下の段をめざして降りてきます。 王手が続いていても、降りる道が空いていれば抜けられて負けです。 そこで、王手になる手が複数あるときは 3段目・4段目のマスに新しく利きが増える手を先に調べてください。 上の正解のように、王手と通せんぼを1手で兼ねられることがよくあります。

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本将棋の「中段に利かせておく布石」と同じ考え方
本将棋でも中盤から終盤に、相手玉の前進を止めるために中段へ桂馬や銀を打って 先に利かせておく手があります。利きで通り道をつぶしてから寄せる、という発想は共通で、 このゲームのトライ対策はその練習になります。

攻め方のライオンも、盤の上にいる

本将棋の詰将棋では攻め方の玉を盤上に置きませんが、このゲームでは駒数が少ないため 攻め方のライオンが盤上にいる問題がたくさんあります。 王手をかけた手で自分のライオンが取られる位置に出てしまうと、そこで負けです。 王手になる手を見つけたら指す前に、 その手を指したあとの盤で、自分のライオンが玉方の駒の利きに入っていないかをみてください。 入っていればその手は捨て、別の王手を探します。

禁じ手は、ほとんどない

二歩も打ち歩詰めもありません。ヒヨコを同じ列に重ねて打てますし、 ヒヨコを打って詰ませることもできます。 「ルールを知らないと解けない問題」が原理的に存在しないので、 はじめての方でも読みだけで勝負できます。

対局ルールの違い(トライ・二歩・打ち歩詰め)を見る →

だから、どこが面白いのか

選択肢は少ないのに、読み切れない

玉方の応手は「逃げる」「とる」だけなので、受け側の枝はむしろ浅いです。 難しさは攻め方側にあります。打てる場所がほとんど制限されないうえ、 攻めに出した駒を取られると、そのまま相手の持ち駒=守りの戦力になる。 一手まちがえると相手が強くなります。

捨て駒が、最初から当たり前の技になる

遠くから利かせる駒がないので、攻めるには必ず相手の利きの中へ踏み込みます。 本将棋では上級テクニックとされる捨て駒が、ここでは1手目から日常的に出てきます。

自分の駒が、自分の邪魔をする

12マスしかないため、味方の駒が詰み形をふさぐ事故がよく起きます。 「じゃまな味方をどかす・捨てる」という手筋も、入門のうちから必要になります。