合駒がない
このゲームの駒はすべて1マスしか動けないので、王手はいつもとなりのマスからかかります。 間に駒を入れるすきまがないため、合駒という受けは存在しません。 玉方の応手は「逃げる」「とる」の2つだけです。
攻め方のライオンは王手に使えない
ライオンは全8方向に利く(=となり8マスすべてを攻撃できる)ので、 一見すると最強の攻め駒に見えます。 ところがライオンは王手に使えません。 相手ライオンのとなりへ出れば王手の形にはなりますが、その手は必ずとり返されるため、 王手として成立しないからです。
黄枠の先手ライオンが後手ライオンに王手をかけた局面。逃げ道はすべて先手キリンがふさいでいます。 先手ヒヨコが下から先手ライオンにひもを付けているので、 一見「とったら取り返されるから、とれない」ように見えます。 ところが後手はかまわず先手ライオンをとります。 とった瞬間に後手の勝ちが決まり、取り返す手番は来ないからです。詰みではありません。
玉方には「トライ」という逃げ道がある
このゲームではライオンが相手陣の一番奥に到達すると、その時点で勝ちになります(トライ)。 これは玉方にも適用されるため、玉方は詰みを防ぐだけでなく 逃げ切って自分が勝つことができます。 本将棋の詰将棋にはない、玉方側の勝利条件です。
左が出題局面(先手の持ち駒はキリン2枚・3手詰)。 黄枠のように2段目の左端へキリンを打つと王手にはなりますが、 後手ライオンは×印(4段目の中央)へ走れてしまい、そこへ利いている先手の駒がありません。 詰ますどころか、その場で負けます。 正解は4段目の左端へキリンを打つ手。同じ「キリンを打つ王手」でも、 こちらは王手をかけると同時に×印のマスへ利きが届き、走る先を先につぶしています。
攻め方のライオンも、盤の上にいる
本将棋の詰将棋では攻め方の玉を盤上に置きませんが、このゲームでは駒数が少ないため 攻め方のライオンが盤上にいる問題がたくさんあります。 王手をかけた手で自分のライオンが取られる位置に出てしまうと、そこで負けです。 王手になる手を見つけたら指す前に、 その手を指したあとの盤で、自分のライオンが玉方の駒の利きに入っていないかをみてください。 入っていればその手は捨て、別の王手を探します。
禁じ手は、ほとんどない
二歩も打ち歩詰めもありません。ヒヨコを同じ列に重ねて打てますし、 ヒヨコを打って詰ませることもできます。 「ルールを知らないと解けない問題」が原理的に存在しないので、 はじめての方でも読みだけで勝負できます。
対局ルールの違い(トライ・二歩・打ち歩詰め)を見る →だから、どこが面白いのか
玉方の応手は「逃げる」「とる」だけなので、受け側の枝はむしろ浅いです。 難しさは攻め方側にあります。打てる場所がほとんど制限されないうえ、 攻めに出した駒を取られると、そのまま相手の持ち駒=守りの戦力になる。 一手まちがえると相手が強くなります。
遠くから利かせる駒がないので、攻めるには必ず相手の利きの中へ踏み込みます。 本将棋では上級テクニックとされる捨て駒が、ここでは1手目から日常的に出てきます。
12マスしかないため、味方の駒が詰み形をふさぐ事故がよく起きます。 「じゃまな味方をどかす・捨てる」という手筋も、入門のうちから必要になります。